放公協が抗議声明
s-NHK.jpg抗議声明
NHKによる永田浩三氏、長井暁氏の報復的人事異動に強く抗議する
NHKは5月26日に発表した幹部職員の人事異動に紛れて、ETV番組への政治介入の実態を告発、証言した永田浩三氏、長井暁氏を番組制作現場からはずす異動を強行しました。

これについてNHKは、この人事異動を「処罰的なものではまったくない」と説明しています。

しかし、この件には、さる3月30日の参議院総務委員会で山本順三議員が、ETV番組の改ざんをめぐってVAWW-NET JAPANがNHKほかを訴えた裁判の口頭弁論でNHKの公式見解を覆す証言をした永田氏とETV番組への政治介入を告発した長井暁氏を名指しして、橋本会長らに両氏の人事上の処分を迫った経緯があります。

もともと、証人として口頭弁論に出廷し、事実を曲げた証言をすれば偽証罪に問われる立場に置かれた永田氏がNHKの公式見解と食い違っても、自己が真実と信じたことを証言するのは証人としての当然の義務であり、永田氏の証言の信憑性を判断するのは裁判官であってNHKや政治家ではありません。

そもそも、永田氏の証言、長井氏の告発は長期間にわたる葛藤の末に、番組制作に携わる報道人の良心に従って自らが知った政治介入の実態を告発したものです。

NHKがこうした証言、告発を行った永田、長井氏に対して山本順三議員が教唆したとおりの人事上の処分を強行したことは、NHKが繰り返す「自主・自律」がまやかしであること、NHKが政治家にお伺いを立てる体質にいまなお深く染まっていることを如実に示したものといえます。

したがって、私たちは永田浩三、長井暁両氏に対して報復的な人事異動を行った橋本会長はじめNHK理事会に強く抗議するとともに、NHKに対し内部告発者を保護する制度の確立を要求します。
以上
2006年5月30日
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皆様
ご承知のとおり、NHKはさる5月26日に発表した幹部職員の人事異動に紛れて、ETV番組への政治介入の実態を告発、証言した永田浩三氏、長井暁氏を番組制作現場からはずす異動を強行しました。
NHKはこうした人事異動は「処罰的なものではない」と釈明していますが、実態はさきに参議院総務委員会で両氏の人事上の処分を迫った山本順三議員の質問に順応した報復的人事と言って差し支えありません。NHKの番組制作現場でも不当な処分と受け止める声が大勢です。
そこで、私たちはNHKに対して緊急に抗議の意思を伝えたいと考え、別紙のような抗議声明をまとめ、明日(31日)午後にこれをNHKに届ける予定です。つきましては、多くの視聴者、市民、ジャーナリストの皆様にご賛同をいただき、賛同者名簿を添えてNHKに提出したいと考えています。
大変急な呼びかけで恐縮ですが、別紙の抗議声明にご賛同いただける方々は至急(5月31日、午前10時までに)野中または醍醐までメールまたは電話でお知らせくださるよう、お願いいたします。
また、皆様のお知り合いにもこの抗議声明を転送いただき、賛同の呼びかけを広げていただけましたら、うれしく存じます。
どうか、よろしくお願いいたします。
呼びかけ人
ジャーナリスト/「放送の公共性の<いま>を考える全国連絡協議会」世話人
野中章弘
東京大学教員/NHK受信料支払い停止運動の会・共同代表
醍醐 聰
趣旨に賛同される方は、こちらまで Eメールnonaka88@tkf.att.ne.jp 野中章弘
または、BZA06163@nifty.ne.jp 石丸次郎
(野中章弘)

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