【市街地上空を飛ぶ米軍EA-6B電子戦機】

【市街地上空を飛ぶ米軍EA-6B電子戦機】

騒音に加えて、事故の危険性も高い。神奈川県基地対策課によれば、県内で1952年度~2006年度に、米軍機の墜落62件、不時着54件、落下物66件、その他30件の事故が起きている。

墜落の大半が厚木基地で離着陸したジェット機だ。住民に死傷者が出た事故は6件で、死者8人、負傷者22人(そのうち1人は後に死亡)である。
例えば、1964年9月8日、F-8C戦闘機が離陸直後、エンジン故障のため、滑走路北側約1キロ地点の大和市上草柳の鉄工所に激突した事故では、工場と住居が全焼し、工場主の長男と三男と従業員の計3人が即死、次男と従業員の計2人が入院後死亡した。そのほかに3人が負傷している。

また1977年9月27日には、厚木基地を飛び立って、房総半島沖にいる空母ミッドウェーに向かう途中のRF-4B ファントム戦術偵察機が、エンジン火災を起こし、横浜市緑区(現青葉区)荏田町の住宅地に墜落。3歳と1歳の男の子が死亡し、そのほかに重傷3人、軽傷4人、家屋全焼2棟、損壊3棟の被害が出た。死亡した子どもたちの母親も全身に火傷を負って入院していたが、事故から4年4ヵ月後に亡くなった。

神奈川県内の墜落事故で、乗員など米軍側に死傷者が出たのは29件、およそ48人が死亡、19人が負傷している。ほかにも厚木基地の日本人従業員2 人が死亡している。
(文中敬称略)
つづく
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