ビルマ潜入紀行~東南アジア最後の軍事独裁国家からの報告
59回目の独立記念日(下)

※お断り ミャンマー(ビルマ)入国取材の安全を期して、宇田有三氏は「大場玲次」のペーネ  ームを使用していましたが、民主化の進展に伴い危険がなくなりましたので、APN内の記事の署  名を「宇田有三」に統一します。
DSCF0362apn【太陽が昇り、一日が始まる。市場に向かう人が急ぎ足で橋を渡る。だが、その橋の下では、ゴミの中から再利用品を集め回る男の子の姿がある。自分の生活とはかけ離れたところに全く別の生活がある。ビルマには、それが目に見える形で存在している】

ビルマは今、どういう状況なのか。

この、東南アジア最後の軍事独裁国家の現状を簡単に振り返っておきたい。
現在のビルマ軍事政権は、1988年の民主化運動を弾圧したクーデター政権(SLORC=国家法秩序回復評議会)の後を引き継いでいる(ビルマは1962年以来、ずっと軍が国を支配している)。

暫定政権として国を支配していたSLORCは、1990年の総選挙に大敗した。
だが、権力の座を民主化勢力に譲らず、1997年に国名をSPDCと名前を変え、軍の力を背景に政権の居座り続けている。
DSCF0344apn【ビルマ的な伝統を重んじようと意図する政府の下でも、商業主義がじわじわと広がる。広告の看板と寺院が重なる】
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