第4回 二人の女性マオイストのこと

【右から、クランティ(連隊コミッサー)、ビマラ・KC(女性組織リーダー)、そして、アスタ(大隊コミッサー)】

【右から、クランティ(連隊コミッサー)、ビマラ・KC(女性組織リーダー)、そして、アスタ(大隊コミッサー)】

“革命”の名をもつ美女
マオイストには大勢の女性がいる。
武装勢力である人民解放軍の兵士や予備軍であるジャナミリシアの3割から4割が女性といっていい。

フィールドでマオイストと行動を共にするときには、宿泊や歩く速度の関係で、女性マオイストとより長い時間を過ごすことが多く、彼らのなかに特に近しくなった女性が何人かいた。

今日は、とくに印象に残った二人の女性マオイストについて書いてみたい。
党名「クランティ(革命)」こと、カマル・ロカ・マガルと初めて会ったのは、2005年12月のことだった。

ロルパのババン村で開かれたマオイストの集会で、「人民解放軍のなかで最高の地位にある女性の一人」と紹介をされた。
当時、彼女は人民解放軍第3師団に属するブリゲード(連隊)の政治コミッサーに任命されたばかりだった。迷彩服の上下を着ていたが、意思の強そうな黒い大きな目をした美しい女性だなと思ったことを覚えている。

連隊には約1000人の兵士がいる。
コマンダーは、襲撃の現場でその部隊を率いる軍事上の指揮官だが、政治コミッサーというのは、政治思想を兵士に教える役目をもったポストで、コマンダーよりも上のポストである。
政治コミッサーは、もちろん襲撃の現場にも同行する。
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