闇市場では盗品、密輸品など、金になるものは何でも売られるようになった。(2002年8月 両江道恵山市 安哲撮影)

闇市場では盗品、密輸品など、金になるものは何でも売られるようになった。(2002年8月 両江道恵山市 安哲撮影)

記者シム・ウィチョンは、2006年8月に平安北道のある重要軍需工場の貿易課長を取材した。今年45歳になるという彼は、この工場に長年勤務した有能な資材調達係だ。つまり、資材、とりわけ金属がどのように流通しているかに詳しい。

シム:軍需工場だと特に事故なんかありませんよね?
軍需工場男性:いや、軍需工場のほうが事件・事故は多いよ。特に有色金属(非鉄金属)の盗難なんかね。
赤銅1キロが4000ウォンから5000ウォンするからね。そいつをくすねて売り飛ばす。食ってくためには何でもするってことさ。

シム:でも、軍法にひっかったら大変なことになるんじゃないんですか?
男性:それくらい大したことないよ。こないだの3月には、ある女が平壌金陵トンネルの入り口にあった「金陵トンネル」って書かれた案内板を盗んで捕まったんだ。

シム:ほう、金陵トンネルの案内板をそのまま?
男性:捕まるなんてバカな女さ。有色金属泥棒は公開銃殺なのにさ。

シム:公開銃殺?
男性:知らないの? 銅、ニウム(アルミニウム)、ポベジート合金 、ステンレス。売りに行くだけでも、取締りに引っかかったらやられる。
線、特に通信線を切ったやつをどうやって捕まえるかというと、闇の金属商売してる奴を捕まえてきて、その出所を追って行けばすぐ逮捕できるってわけだ。一昨年の末に平城でも公開銃殺があっただろ?
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