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頂近くまで開墾された北朝鮮北部の山。(2005年6月 石丸次郎撮影)

 

鉄橋は流され、線路だけがぶら下がっていた...
シム:鉄道で一番被害が大きかったところが陽徳線なんだな。
オ同志:その中でも、平壌‐平城‐新成川‐長林‐信陽‐陽徳の区間が被害大きい。運行できないから、沙里院のほうにぐるっと回るんです。
シム:檜倉で400人の住人全100世帯がすっかり流された他には、どこかで大きな被害があったか知ってる?
オ同志:特にはないようですよ。
シム:人々はどうしてるの?茫然としているんだろうな。焦った様子なのかな?
オ同志:焦ってもどうしようもないですよ。
シム:まあ、それはそうだな。どうしようもない。
オ同志:家を失くした人々は、他の家に居候すれば生きてはいけるし。
シム:国がビニールシートを分ければそれ張って何とかやれるだろうけど。いったい何世帯が被災したんだろう?世界に呼びかけて支援してもらわないといけないのに...。
オ同志:支援が来るとごろか、持って行ってしまうだから。
シム:南朝鮮では、畑10万町歩が浸水して、死亡者は2~3,000名ほどで、死傷者まで入れるともっと増えるだろう、と報道までされてるのに。陽徳がひどいと報道しているのを見ると、南朝鮮では大体のところがわかっているはずだ。
オ同志:陽徳や長林は少し土地が高い場所にあるんです。信陽はそれより少し低い。
シム:つまりその信陽が一番被害がひどいというわけだな。
オ同志:そういうことですね。
シム:それじゃあ陽徳は?
オ同志:陽徳の方から被害が始まったので、江東とは比べ物にならないくらい被害があったそうです。
シム:君のところはどれくらい?
オ同志:江東は人的被害が11~13名ほどでしたね。
シム:そしたら、江東郡の何パーセントが浸水した?
オ同志:5パーセントくらいかな。
シム:そんなにひどくなかったんだな。川辺の地区ぐらいで。
オ同志:それと山腹と。
シム:うん、山の斜面にあった村は被害があっただろうなあ。
オ同志:はい。
シム:今頃は江東に電気が回復してるだろうね。
オ同志:私が来る時、電線が切れて電気が漏電している部位を調べていました。2~3時間間隔で10分くらいずつ電気がピカピカするんですが、それは試験中なんです。
シム:とにかく当面生き延びる手だてがないことにはね。
オ同志:被害を受けた畑は、どれも使えなくなったでしょう。
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