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米国の次期大統領オバマ氏に関して、ある記事が印象に残っている。
オバマ氏の父方の故郷、ケニア西部のコゲロ村。広場に集まった約200人の村民が当選を祝った。

同村には祖母サラさん(86)をはじめ、多くの親族が暮らす。オバマ氏のめいのナシムさん(25)は「若者の手本になるいい大統領になるはず。ケニアに何かを、とは期待しない。彼はアメリカの仕事で大忙しになるから」と話した。

ケニア政府は5日、オバマ氏当選を祝って6日を祝日にすると発表した。
(2008年11月6日付 朝日新聞朝刊より引用)
オバマ氏が当選することで11月6日が祝日となってしまうことにはたまげたが、私が惹かれたのはその点にあらず。ナシムさんの「ケニアに何かを、とは期待しない」との一言に感じたすがすがしさが、私の心の中にずっと残っているのである。そうだよなぁとあれこれ考えつつ、トーゴでの会話を思い出した。

トーゴのアベポゾに、私がいつも泊まる宿がある。そこで働く私の友人カムランと話をしていたときのこと。彼はこう言っていた。
「僕は、絶対に、外国人に、なにかを欲しいとは言わない。だって、僕たちがそういう目で外国人を見ているとは思われたくないから。そして、僕たちが『持っていない』人たちだと思われたくないから。」

確かにアフリカの国々で外国人が多く出入りする場所において、何かを請われることは少なくない。ここアベポゾの宿周辺でも、滞在客に子供が(時には大人も)手を差し出して小銭を請う風景はしばしば散見される。そんな同胞のことを、彼は心底嫌がっていた。
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