シム:畑を軍人に渡すようにしたから、ここの農場は軍糧米は出さなくてもいいということになったのかな。軍隊もガソリンが高くて大変なのに、ここまでわざわざ車を出して運搬して持って行かなければならないわけだ。
兵士:しかたないですよ。われわれも食わなければなりませんから。とにかく早くトウモロコシを取って運び出さないと。今を逃すと、もう誰もくれませんからね。

昔のように、脱穀場に行けば穀倉がトウモロコシでいっぱいだったなんていう光景は、現在は全く見あたりません。脱穀場に行っても、私たちが持ってきたトウモロコシしかないんですから。

シム:このクァイル郡にいる空軍だよね。君は運転手?
兵士:はい。

シム:今年は工場企業所もしんどいけれど、軍隊もひどい目に遭ったそうだね。
今年うちの知り合いの子が入隊したんだけれど、二ヶ月間、ずっとジャガイモばっかり食べたと言う。それも平壌近郊の部隊なのに。えらい目に遭ったって言ってた。
兵士:ずっとそんな調子なんです。飛行警備隊の若い連中なんかも、腹が減ったら盗んできますよ。

シム:そうだろうな。泥棒しないと生きていけないんだから。
兵士:三年前(二〇〇五年)までは、ちゃんと軍糧米をくれてたのに。

シム:畑を部隊に配分するようになってからは、何にもしてくれなくなったんだね。
兵士:本来は農場員たちが畑を耕して脱穀してから、それを軍糧米としてわれわれに支給するべきなんです。
(中略)
兵士:トラック一台分の食糧を一昨日運び出しました。今日も一台分、部隊に持って帰ります。
一〇月一〇日(党創建記念日)前には全部収穫して帰らないと、飛行士たちが食べる食糧がないんですよ、今年は。

シム:ええ? 飛行士たちの食糧も出てないの?
兵士:はい。食糧がどこにあるというんですか? 足りませんよ。米も、軍隊に来るのは輸入米です。

シム:飛行士にだけは、配給もいいものを与えると言われていたけれど......。
兵士:特別な物資が出てくることはありますよ。肉はアヒル......、あのにおいがひどいのをくれて、食用油と卵を少しくれる。それぐらいです。

シム:飛行士の生活も大変なんだね。これまでは空軍を一番優先にしていたんだろう? 飛行士たちには、ちゃんとしてあげるべきだ。飛行士までそんなザマだなんて。
兵士:フン! 情けないですよ。
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