■衝撃5 米国など諸外国との関係改善と、それに伴う開放
核をちらつかせ米国と交渉しようという朝鮮のやり方は周知のことである。
経済援助がその主たる目的なのか、政権の安全保障が焦点なのかは別としても、その結果は、対外開放へと向うものとなるしかない。

過去、一九九〇年代後半の米国クリントン民主党政権時代に比較的良好な朝米関係を経験したためだろうし、オバマ氏が朝米直接対話に出ることを明言してきたためでもあろうが、金正日政権は、オバマ新政権の登場によって朝米関係の根本的な改善がなされると大いに期待しているように見える。

しかし筆者には、期待通りに簡単に進んでいくとは思えない。なぜなら、核のハードルの次には人権のハードルが待っているからだ。
オバマ新政権が朝鮮との関係正常化を進める方針を持っているとしても、それを達成するために劣悪な人権状況にまったく目をつぶるということは考えにくい。

人権改善の要求がオバマ政権から提出された時、朝鮮政府はどのような態度で臨むだろうか? 宿願の朝米正常化は、朝鮮にとって人権問題の衝撃を伴わざるを得ないのである。

中国製品はすでに朝鮮国内の市場を独占する勢いである。好むと好まざるとに関らず、中国に対しては経済的に朝鮮はすでに開放されたと見るべきだろう。
日本、ロシア及びヨーロッパ諸国などと関係改善、あるいは関係拡大を進めていくということも、やはり開放に向かうということである。
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