《緊急特集》密かに拡大する民間人の「戦地派遣」【吉田敏浩】

１　イラク派遣自衛隊と技術者派遣の問題で新たな疑問
自衛隊のイラク派遣（2004年～2008年）に関して、防衛省・自衛隊による一種の「情報隠蔽」ではないかと見られる事実が明らかになった。

イラクに派遣された陸・海・空自衛隊の装備の修理や整備などに、民間企業の技術者が周辺国に派遣されていた件で、その回数や人数が防衛省公表資料と情報公開文書とで大きく食い違っていたのである。

防衛省公表資料（昨年４月、共産党の小池晃参院議員への提出資料）には、2004年３月～2007年７月の間に６回、計21人が派遣されたと記されていた。
ところが、私が防衛省に情報公開法に基づき情報公開請求をして開示された行政文書によると、同じ期間内に14回、計39人も派遣されていたことが判明した。回数や人数に２倍の開きがある。

自衛隊と企業が結んだ修理・整備などの役務請負契約書や仕様書など一連の行政文書と防衛省公表資料を元に、私は民間企業技術者の派遣一覧表を作成した。