こんなことをしてでも食って生きていくことが大事ではありませんか。幹部たちや物持ちの連中は、みんな国家のものを自分の物のようにかすめ盗って暮らしています。ぼくたちは、そんなことはできないけれども、生きていかなければなりません。

あいつらは、食糧を蓄えておきながらでも暮らしていけますが、ぼくたちといえば、明日炊くお米すらありませんよ。お米を買うだけのお金がありますか?」

子どもたちの言い分が正しいと「支持」しなくてはならないのか、あるいは、間違っていると盗みを「阻止」しなくてはいけないのか、私にもわからなかった。だが、明日食べる米がない、というのは事実である。(つづく)
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(文) リ・ドンハク [キルスの伯父・ファヨンの父]
48歳。咸鏡北道花台郡出身。労働党員であったが1999年1月に北朝鮮脱出北朝鮮では製錬所、建設企業所の、副職場長などを務めた。
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