なぜ自分だけを取り締まるのかと女性は抗議。(2008年10月海州市 シム・ウィチョン撮影)

なぜ自分だけを取り締まるのかと女性は抗議。(2008年10月海州市 シム・ウィチョン撮影)

取締り1 女はスカートをはけ 下
取材 シム・ウィチョン
お互いに声がどんどん高くなる。多勢に責められても女性は一歩も引こうとしない。気丈なその女性が反発するのに対し激高した糾察隊の男性は、女性に指を突き付けながら強く迫り(朝鮮では相手を指差しながら話すのは対決の表現)、女性の肩を強く突き飛ばす。納得のいかない女性はさらに反発し声を荒げて言い返す。
糾察隊男性1:お前は態度がなってないよ。すいませんでしたと謝ればそれで済むのに、ああでもないこうでもないと。
女性:あっちにもこっちにもズボンをはいて歩いてる人がいるじゃないの! 殴ってみろ! 私を殴れ! そもそもあんたたち、その口の利き方はなんなのよ! 「お前、お前」って、あんたにお前呼ばわりされる筋合いはないわよ。
糾察隊男性2:お前は、まったくなんていう言い草だ。目に余るな!
女性:私はただ、ズボンをはいてる人が多いのに、なんで私だけ取り締まられなきゃならないの、って言いたいのよ!
糾察隊男性1:あんたがここで言いがかりつけるから、他の人を取り締まるのに差し障りが出てるんだろ!
糾察隊男性2:ちゃんと取り締まれって言うなら、あんたがやってみろ!
そう言うと糾察隊の男性は女性の左腕に「取締り」と書かれた赤い腕章を無理にはめて、道路の方に押し出した。糾察隊の女性たちは、その女性に向かって、そろそろあきらめろといった口調でたしなめる。そこへズボンをはいた別の女性が通り過ぎて行った。
女性:今通った人はどうして取り締まらないのよ!

非を認めようとしない女性にいらついたのか、女性同盟の糾察隊員が罵り始める。(2008年10月海州市 シム・ウィチョン撮影)

非を認めようとしない女性にいらついたのか、女性同盟の糾察隊員が罵り始める。(2008年10月海州市 シム・ウィチョン撮影)

 一歩も引かずに反撃する女性に業を煮やした糾察隊の男性が、女性の腕に「取締り」の腕章を付けようとしている。(2008年10月海州市 シム・ウィチョン撮影)


一歩も引かずに反撃する女性に業を煮やした糾察隊の男性が、女性の腕に「取締り」の腕章を付けようとしている。(2008年10月海州市 シム・ウィチョン撮影)

 

糾察隊はその場を動かない。女性が再び不満を口にすると、耐えかねたように糾察隊の女性たちも声をあげて糾弾し始める。またしてもお互い一歩も引かない口論になる。言い合いは、双方が相手の礼を欠いた言葉遣いをなじり合う様相に。すると道路の向かいに立っていた交通警察官が見兼ねてやってきて口論に「介入」した。
交通警察官:コラ! このあばずれが! 黙って言うことを聞け!
そう言いながら交通警察官は女性の肩を強く四度叩いた。するとそこにズボンをはき自転車に乗った別の女性が通りかかる。糾察隊は一応笛を吹いて呼びとめようとするが、自転車の女性は無視して通り過ぎて行った。
女性:ほら、あれ! どうして取り締まらないのよ。
糾察隊男性2:まったくこのアマはどうしようもないな!
女性:アマとはなによ、アマとは! なんていう口の利き方だ! 大体あんたはさっきから......。
口論は延々と続きそうな気配である。シム記者は撮影を中断して静かにその場を立ち去った。
整理 リ・ジンス

吹き荒れる《風紀取締り旋風》1
吹き荒れる《風紀取締り旋風》2
吹き荒れる《風紀取締り旋風》3
吹き荒れる《風紀取締り旋風》4
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吹き荒れる《風紀取締り旋風》6

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