今週の注目は、言うまでもなく「労働党代表者会」の延期の報である。
いささか、筆者は「追っかけ疲れ」している感があるが、やはり、9月上旬に「やる」と言明していたことが「できなかった」わけだから一大事である。
その理由については、様々な見方が報じられている。
・金正日の健康悪化
・台風・洪水被害
・ジョンウン登場の準備不足
これが主なところだ。

ジョンウン登場の仕方でもめる?
9月16日のヤフーニュースに、
読売新聞の「指導部、ジョンウン氏登場『早い』と判断か」
という記事が出た。引用しておこう。
==============以下引用==============
【ソウル=前田泰広】米政府系のラジオ自由アジア(RFA)は16日、北朝鮮の朝鮮労働党代表者会が開催されていない理由として、金正日(キムジョンイル)総書記の後継者として有力視される三男の金ジョンウン氏をデビューさせるかどうかで論争が起き、時期尚早と判断されたためだと報じた。
北朝鮮高官に接触できる中国消息筋の話として伝えた。

それによると、9月初めに平壌で代表者会開会に向けた予備会議があり、「ジョンウン氏を公の場に登場させるかどうかの討議」が行われた。
北朝鮮の指導部は、ジョンウン氏が20歳代と若いことや今の不利な経済状況を考慮し、「党指導部に選出するのはまだ早い」と判断したという。
9月16日(木)19時21分付
==============引用終わり==============
読売の独自取材によるものではなく、RFAの引用記事である。
現在、韓国には北朝鮮国内に地下取材網を持つメディア、団体がいくつかある。信頼度の高いAクラスは「デイリーNK」と、この「RFA(Radio Free Asia、本部ワシントン)」で、次に「開かれた北韓放送」「良き仲間たち(good friends)」が来る。

「デイリーNK」と「RFA」は、大手メディアをはるかに凌ぐ情報ネットワークを北朝鮮国内に持っている(アジアプレスも負けていません!)。
この記事は、ワシントンのチョン・ヨンギ記者の書いたものだが、北朝鮮内部からのものではなく、「中国の消息筋」がソース。筆者の評価は「?」である。

「党代表者会」は、労働党の中央委員会政治局決定として、6月23日に北朝鮮メディアで発表されたもので、8月末の金正日総書記の突然の訪中を経て今日に至るまで、国内で大宣伝が繰り広げられてきた。
中国やベトナムも、「党代表者会」開催が成功することを願う旨の公式メッセージを送っている。

この期に及んで、北朝鮮内でまとまりがつかずに延期になるというのはあり得ないだろう。
このような大行事は、当然金総書記の「批准」(裁可)を受けたものであり、金ジョンウンの登場のさせた方...名前だけにするか、姿も現すか...まで含めて、もめる余地はないはすだ(ただし、金ジョンウン本人が土壇場で駄々をこねるということはありうる?)。
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