ロルパ郡ガルティガウン村でダリットの女の子が子守りをしていた。(撮影:小倉清子)

ロルパ郡ガルティガウン村でダリットの女の子が子守りをしていた。(撮影:小倉清子)

パチャバン村で開かれていた政治トレーニングが終わった次の日のことだった。
ロルパを去ることになったプラチャンダ党首を送り出すプログラムが、集落から少し登ったところにあるジャングルのなかの広場で開かれた。

当時、ロルパ郡やルクム郡を含むラプティ県の党責任者である"バーダル"ことラム・バハドゥル・タパ・マガールや、クリシュナ・バハドゥル・マハラもいた。皆、党のトップクラスのリーダーたちである。

ウシャは見張りのグループを指揮していたアナンタに、プラチャンダらリーダーがロルパに来てくれた喜びを表すために、彼女たちに銃を撃たせてくれるよう願い出た。

見張りの男たちは自家製銃である"バルワ・バンドゥク"を持っていた。村の鍛冶屋であるダリットが作るこの銃は、食糧にする鳥や獣を撃つ道具で、ロルパでは普通に見られる武器である。結婚式などのめでたい行事や葬式のときにも、マガール族の人たちはバルワ・バンドゥクを撃つ習慣があった。
しかし、マガールのコミュニティーでは、女が銃に触ることは"不吉なこと"と考えられていた。
(つづく)

【連載】 ネパール マオイスト・女性ゲリラたちの肖像

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