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2 大城(デソン)区域と大城市場[1]

2008年12月取材
取材:リ・ソンヒ/解説・整理:リ・ジンス/解説協力:リ・サンボン(脱北者)

大城区域は大同江(テドンガン)の北側、平壌の北東部に位置している。人口は約一一万五七三九人(注1)。五世紀ころ、北は現在の中国東北三省から、南は現在の韓国の忠清北道、慶尚北道の一部までを支配下に収めた高句麗の首都が一時期置かれた所として有名だ。

四二七年、当事の長寿王は都を国内城(現在の中国吉林省集安市に位置したとの説が有力)から平壌に遷し、安鶴宮と呼ばれる王城を建設、さらに後方に防護のための山城を建設した。これが現在、北朝鮮の国宝に指定されている大城山城だ。

由緒あるこの大城区域は地下鉄革新(ヒョクシン)線の楽園(ラグォン)駅で平壌の中心部とつながっている。山には朝鮮中央動物園をはじめ、植物園やプールがあることから、平壌市民の憩いの場として愛されており、祝日には多くの人波でにぎわう。特に動物園は観光スポットとしても有名だ。

北朝鮮国内に生息する動物の他、「贈り物外交」の一環として、冷戦時に共産圏の国家や、同じように非民主的な統治が続いているジンバブエなどの友好国から、故金日成主席や金正日総書記宛に送られてきた動物が公開されている。また大城区域には、金総書記の出身校、金日成総合大学がある。
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