◆昨年追悼期間中 地方幹部が「誠意見せよ」
12日に朝鮮中央通信を通じて発表された「朝鮮労働党中央委員会政治局特別報道」によれば、故金正日総書記の遺体を永久保存することにに加え、「金総書記の銅像を丁重に建立すること」が決定された。

しかし、既に先月の金総書記の追悼期間中に、地方の政府当局者が、住民に銅像の建立費用の負担を求める発言をしており、銅像建立が以前から計画されていて、かつその費用を民衆に負担させる目論見であったと思われる。北部の両江道に住むアジアプレスの取材協力者が、先月末に電話で伝えてきていた。

この取材協力者は
「金正日死亡に伴う各種の追悼行事が続いている最中の会議の席で、地方政府幹部が『我々は将軍様(金総書記)の銅像を建てなければならない。困難な中で、皆が負担をして誠意を見せなければならない』と発言した」
と述べた。

この会議は、金総書記の追悼行事に関するものだったが、職場の会議か行政機関の会議かは不明。政府の財政が破綻状態の中で、金総書記の銅像建立費用を職場の従業員あるいは、一般住民に対し負担させることを予告するものだとも受け取れる内容だ。

労働党が金総書記の銅像建立を正式に決定し布告したことで、今後、住民に対してその費用提供の強要が全国で始まる可能性が高い。
北朝鮮には、金日成主席の銅像は生前から全国に膨大な数が建立されたが、金総書記のものはなかった。
アジアプレスでは、中国の携帯電話を北朝鮮国内に送り内部状況を協力者に伝えてもらっている。
(石丸次郎)

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