◆労働新聞
朝鮮労働党機関紙・労働新聞は30日付けの論説で、「帝国主義の思想的・文化的浸透策動を粉砕すべきだ」と強調した。
同紙は、帝国主義者の思想的・文化的浸透策動の悪らつさと危険性、その重大な悪結果をはっきり認識して、それに対する断固たる粉砕闘争を積極的に展開していくべきことを主張した。

北朝鮮の官営メディアは、一月中旬以降、日本の朝日新聞、東京新聞、時事通信を名指しして非難したほか、韓国KBS(韓国放送公社)に対しては「打ち壊す」、北朝鮮専門ネット新聞のデイリーNKに対しては「脱北者は人間のクズ」と激しく罵るなど、金正恩体制の出発に当たって、外国メディアの北朝鮮報道にこれまでになく神経質になっている。

30日の論説でも「帝国主義の思想的・文化的浸透策動」という表現で、新体制批判の情報が国内に浸透することに警戒を露にしたといえる。

以下は論説の要旨
ブルジョア思想と文化、腐り切った生活様式は資本家階級の利益を代表、擁護し、彼らの階級的立場と生活方式を反映した最も反動的で反人民的な思想・文化であり、生活風潮である。

それは、人を精神的不具、道徳的廃人につくる最も危険な思想的毒素である。
人がブルジョア思想・文化に染まれば党も、領袖も眼中になく、国も、人民も知らない恩を仇で返し、信念のない俗物になってしまう。このようになれば、政権も、軍隊も、人民も四分五裂する。

ブルジョア思想的・文化的浸透は特に、青年に甚だしい害毒的影響を及ぼす。
帝国主義者が核兵器をもってしても占領できない国々をブルジョア思想・文化の伝播で崩壊させることができると公然と唱え、国家予算の多くの分をこれにつぎ込み、多数の人員を動員しているのは決して理由なきことではない。

同紙は、歴史的経験は帝国主義者が流布しているあらゆる不健全な思想・文化の浸透を徹底的に警戒せず、それとの闘争を強力に展開しなければ、それを阻めないということを示していると強調した。
【石丸次郎】

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