大きな文字で「中国夢は私の夢」と書かれている。10月1日、北京・国貿にて、宮崎紀秀撮影。(写真はデジタル加工してあります)

高層ビル群の一画で、"流行り"の言葉を見つけた。
「中国夢(チャイニーズドリーム)は私の夢」。建設現場の囲いに大きく書かれていたそれである。
この中国夢(チャイニーズドリーム)は、習近平国家主席が就任以来、自らも度々口にしている、いわば現政権のスローガンのようなものである。

しかし、人口13億人の巨大国家を率いる強面の指導者たちが、ことあるごとに「チャイニーズドリーム」という曖昧な言葉を持ち出すことに、違和感を拭えない。矛盾や格差の解消に決め手を持たない政権が、民心を離すまいと、聞こえの良いフレーズに必死にすがっているように思えてしまうのである。

この日は、中華人民共和国が成立してから64周年となる建国記念日。
中国最大の祝日に北京中心部は閑散としていたが、農村から出て来たのであろう建設労働者たちが、黙々と働いているのに気づいた。【宮崎紀秀】

建設現場などでは「農民工」と呼ばれる農村出身者が働く。
10月1日、北京・国貿にて、宮崎紀秀撮影。(写真はデジタル加工してあります)

 

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