「異色的な生活風潮を流布させる敵の策動を徹底して叩き潰すことについて」と題された、党員と勤労者を対象とした学習資料。発行元は朝鮮労働党出版社(2005年)。
「不純録画物」の密売や流布に無慈悲な打撃を加えることを強調している(資料は2005年にリ・ジュンが入手した)。

 

「不純宣伝物」取締りの布告文出される

9月中旬になって、北朝鮮各地の取材協力者からほぼ一斉に、「『不純宣伝物』を取り締まるための『布告文』が配布、張り出された」との情報が伝わってきた。

前出のB氏は、電話で次のように述べた。
「布告文下達のために人民班会議が開かれ、保安署(警察署)の人間が来て『過去に悪いもの見た人間は自首せよ』と通告した」。

私たち取材班はB氏に、「布告文」の入手を依頼した。あいにく彼は写真機を持っていないので、現物を書き写し、数日後に電話で全文を読み上げてくれた。
なお「布告文」は、鉄道駅構内や街頭の掲示板など、人目に付きやすいところに張り出される。

不思議なことに、配布された「布告文」の発布日は2004年12月25日になっていた。この点についてB氏は
「『10年近く前の「布告文」がまた下りてきたのは、我が人民の警戒心が瓦解したのでもう一度やるということだ』と保安員が説明した」
と語った。

両江道で配布された「布告文」も発布の日付が2004年で、内容も同じだったと別の協力者が伝えてきているので、B氏が口頭で伝えてきた「布告文」は、再発布された同一のものと見ていいだろう。
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