○校則破りに「情熱」
当時の学校は、勉強はあまり行われず、学校側からすれば、数々の行事や農村支援などの課外活動に動員するための「労働力」を集める場所、生徒からすれば、友達が集まって遊ぶ場所と化していました。実際、私は、復学した1年間に授業を受けた記憶はあまりなく(それは私がずっとサボっていたからかもしれません。朝は授業をサボって映画館に行ったり、友達の家に集まってギターを弾いたりしていました)、課外活動ばかりが行われていました。授業はサボっても課外活動はサボっていなかったというのも、今思えば不思議です。

当時の私たちの関心事と言えば、ファッション、最近流行っている(韓国や中国延辺地域の)歌、気になる男の子の話、誰と誰が付き合っているという噂などでした。

学生服を直して着るのが流行っていて、男子生徒はズボンの裾幅を狭くしたスタイルが、女子生徒はスカートを二折くらい巻き上げて短くしたスタイルが流行していました。また、女子生徒は、青色の学生服を無視して、黒いセーラー服を作って着るのが大流行していました。ヘアスタイルも、(たぶん)男子生徒は頭皮から2センチ、女子生徒は耳下3センチという学校規則を無視して、男女とも髪を伸ばすのが流行っていました。

いつも朝8時前には、校門に生徒たちの身だしなみをチェックする先生や学校委員の生徒が立っていました。学校の規則を無視した生徒たちを見かけると、呼び止めて注意をするのですが、何度注意しても聞かない生徒たちには厳重処罰として、先生自らハサミで生徒のズボンの裾を切り、伸びた髪を刈り上げるのです。それに引っかからないようにと、わざと遅刻して裏側の塀を越えてくる生徒たちも、それを先読みした先生方に見事に捕まり、あっさりと丸坊主にされてしまうのでした。

それでも、生徒たちは屈することなく、自分なりのファッションを「主張」するのでした。私も、母におねだりして作ってもらった黒いセーラー服が切られるのは避けたかったので、さすがに朝の授業中に着ることはできませんでしたが、放課後、学生服を着る用事があるときに着たりしていました。
その頃の私たちにとって一つの悩みと言えば、成長によって大きくなる胸を目立たなくすることでした。男女共学である私たちのクラスでは、発育の早い女の子たちが男子生徒たちにからかわれることが多かったのです。

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