(参考写真)赤ん坊を背負った女性がトウモロコシ畑で落ちた実を拾っている。(2008年10月殷栗郡 シム・ウィチョン撮影)

(参考写真)赤ん坊を背負った女性がトウモロコシ畑で落ちた実を拾っている。(2008年10月殷栗郡 シム・ウィチョン撮影)

 

◇「張成沢は女好き、崔龍海は軍事知らず」と揶揄の声も
(ペク・チャンリョン)

張成沢(チャン・ソンテク)国防委副委員長の「失脚」を韓国の情報当局が発表してから2日が経つが、今もメディアを通じ様々な憶測と情報が飛び交う状況が続いている。そうした中、アジアプレスでは現地住民の反応を調べるため、5日、北朝鮮北部のある国境都市に住む取材協力者(以下、協力者)に話を聞いた。通話内容を紹介する。

記者:張成沢が失脚したという話と、彼が最近国営メディアに登場していないことを、周囲の人達は知っていますか?
協力者:知りません。中の方(平壌を指す)では知っているかもしれませんけど、私たちのような者は知りませんね。

記者:中央党の副部長二人が銃殺されたという話も聞いていませんか?
協力者:知りません。一般庶民たちは、そういった話に関心がありませんから。どうすれば食べていけるかを考えるだけで、幹部のことなんかには神経を使いません。今、張成沢についての噂といえば、彼が女性好きのために「落ちた(更迭された)」が、再び上に上がってきたという話だけです。(注 過去の左遷からの復帰について話していると思われる)
4日に話を聞いた北部地域に住む別の取材協力者は、張氏失脚の噂を耳にしていた。こうしたことから、噂の広まりには地域差があると見てよさそうだ。

◇崔龍海はあやつり人形か
続いて、張成沢氏をけん制する存在で、今回の失脚劇に一役買ったと見られる崔龍海(チェ・リョンヘ、人民軍総政治局長)氏について聞いた。
記者:北朝鮮の住民たちは、張成沢や崔龍海をどう見ていますか?
協力者:崔龍海といえば、以前、失策のため更迭されたあと、権力の座に返り咲いた人物として知られています。今は(金正恩の)信任を盾にしていますね。軍事を知らない者が軍人ぶっていると、人々も軍事について知っている人たちも笑いものにしていますよ。

記者:なるほど。
協力者:あの人物(崔龍海)は、軍事には門外漢なのに、今の地位にまで上がったので、操り人形のようなものです。一般市民もみなそう受け止めていますよ。

記者:それでも張成沢は金正恩氏の叔父ですが、簡単に取り除くことができるでしょうか?
協力者:そうはいかないでしょう。私が見るに、今は大将(金正恩)が若いじゃないですか?だから内部で権力争いをしているんですよ。
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