女性民兵のマハさん(写真右)はアラブ人だが、イスラム過激組織が支配するジャラブロスから逃れた後、クルド人の人民防衛隊に参加した。「私はイスラム教徒だが、女性の自由を奪うイスラム過激組織のやり方は許せない」と話す。(シリア北西部・アレッポ県:1月撮影・玉本英子)

女性民兵のマハさん(写真右)はアラブ人だが、イスラム過激組織が支配するジャラブロスから逃れた後、クルド人の人民防衛隊に参加した。「私はイスラム教徒だが、女性の自由を奪うイスラム過激組織のやり方は許せない」と話す。(シリア北西部・アレッポ県:1月撮影・玉本英子)

 

◆検問所から数百メートル先はイスラム過激組織の支配地域が...

アイン・アル・アラブ市内から車は砂煙をあげ、西へと向かう。小さな村をいくつか越えると、道路の脇にいくつもの土嚢が詰まれた検問所があらわれた。「以前ここは隣町を結ぶ田舎道だったのに、今では地獄へつながる道になってしまった」と運転手がつぶやく。

検問所では、地元のクルド人で組織されるYPG(人民防衛隊)の民兵たちが自動小銃を携え、町に入る車を一台、一台止めていた。ほとんどが女性で、 内戦前は、主婦や学生などの一般市民だったが、戦闘が町に及ぶにつれて、民兵隊に組織された。軍事訓練をうけたのち、治安警備の任務についた。

ここでは女性民兵も男性と同じく砲弾が飛び交う最前線へと送られる。また、戦死者も少なくない。

この検問所から数キロ先の隣町ジャラブロスは、イスラム武装勢力のISIS(イラク・シリア・イスラム国)によって制圧されている。

激戦地から脱出する家族、物資輸送や親族訪問など、さまざまな車が行き交う。民兵たちは、緊張した表情で身分証明者を確認し、車のトランクの中を丹 念に調べる。各地の検問所では爆弾を積んだ車が自爆攻撃をしけかる例があいついでいるため、ドライバーの言動や素行にも目を光らせる。
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