20140303_asiapress_NHK001法律家グループ 「籾井氏に資格なし。視聴者による是正要求だ」

「政府が『右』と言っているのに我々が『左』と言うわけにはいかない」という就任記者会見での発言や、10人の理事全員に日付を空けた辞表を提出させてい たことなどで、強い批判を浴びているNHKの籾井勝人会長に対し、法律家と研究者で作るグループが受信料の支払いを停止することを決めた。期限は籾井会長 が 辞任するまでで、週内にもNHKに通知する。辞任を求める世論が高まる籾井会長の「居座り」が、NHKの経営問題に発展する可能性が出てきた。(編集部)
受信料の支払い停止を決めたのは、弁護士の阪口徳雄さん、神戸学院大学大学院教授の上脇博之さんら10数名で結成した「NHKを考える弁護士・研究者の会」。週内にNHKに「支払い停止」の通知書を送ることになった。

この通知書によると、籾井会長が今年1月25日に行った会長就任会見で行った発言について、「個人的発言であっても取り返しのつかない異常で不適切な発言であり、NHKの会長としての資質、能力、資格はないと言わざるを得ない」と批判。

また、その発言を国会で撤回して謝罪した後に開かれたNHKの経営委員会で、籾井会長が「それでもなおかつ私は大変な失言をしたのでしょうか」と発言した点などを、視聴者とNHKとの信頼を裏切るものだとしている。
◇ 理事辞表提出伝えないNHK

更に、籾井会長が理事10名全員に対して日付のない辞表を提出させていた問題を、新聞、民放テレビ各社が報じているにもかかわらず、NHKが一切伝 えていない点について、既にNHK内で会長の意向を忖度(そんたく)して番組を作る状況が生じており、放送内容が歪められている可能性があると指摘してい る。

受信料の支払いを停止することについては、NHK会長に対して次のような通知を行うという。

「私たちは今までNHKは公平、公正、中立な報道を行うものと信頼し受信料を支払ってきた。貴殿の発言は、その前提となるNHKと視聴者との間の信 頼を裏切った。その存立基盤を貴殿は自ら破壊したのである。もはや、公共放送の会長に貴殿が座り続けることを、視聴者として認めることはできない。NHK が受信者から信頼を確保する道は、口先だけの謝罪、撤回ではなく、貴殿が辞任することしか残されていないと判断する。視聴者は、制度上は、NHKの会長の 「リコール権」を有していないが、受信料を支払わないことによってNHKにその是正請求をすることはできるし、そうせざるを得なくなった」。

受信料の支払いを停止する期間は、籾井会長が辞任するまでとしている。

NHKは、受信料の不払いについては、これまで裁判所に提訴するなどして対応してきた。これについてグループの呼びかけ人の1人である阪口徳雄弁護士(大阪弁護士会)は次のように話す。

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