◇これ以上毒物をつくらないことが重要
R:では、今すでにある高濃度の放射性廃棄物はどうすればいいのですか。

小出:一番望ましいことは、私たちの世代でつくったゴミですので私たちの世代で無毒化することです。そうする責 任があると思っています。けれども、70年間研究を続けてきてできなかったということは、その壁が厚くて猛烈に高いということですので、簡単にそれが可能 になるとは私には思えません。

そのためにまず為すべきことは、これ以上この毒物を作らないということです。つまり、原子力をやめるということを決断すべきだと思います。ただし、 そうしたところですでにこの日本だけでも、私はセシウム137という放射性物質を尺度にしているのですが、広島原爆130万発分もの毒物をすでにつくって しまっているのです。

即刻、原子力をやめなければいけないけれども、既につくってしまった分をどうするのかということに対して、私たちは真剣に考えなければいけないと思います。
そして、私は地層処分に反対していますので、ではどうするのかとやはり問われてしまうのですが、はっきり言うと、すいません、私も答えがわかりません、と いう答えなのです。でもそれでは困るので、まずは私たちの黒い目で監視を続けるというのが唯一出来ることだろうと思っています。

どこかに、少しでもマシな閉じ込め場所というものを地上に作って、そこで長い間、何百年になるのか、何千年になってしまうのか、わかりませんけれども、きちっと監視を続けるということが今、残されている唯一の方法だろうと思います。

※小出さんの音声をラジオフォーラムでお聞きになれます。

「小出裕章さんに聞く 原発問題」まとめ