ピーク時でさえ電気は足りている

R:ではなぜ、また今年は電力の供給が綱渡りだと、関西電力と九州電力は言っているのですか。

小出:先ほども言ったように、関電の場合には原子力発電が主力だったわけですから、それが動かなくなるというこ とは、当然、電力会社としては運営が大変になるわけです。ですから、老朽火力と言われているような火力発電所もこの際、動かさざるをえなくなるわけです し、「燃料代がいるぞ」とかいうようなことも言っているわけです。できることならば原子力を動かしたいと彼らは思っているので、ことあるごとに「電気が足 りないぞ、足りないぞ」と脅しの伝令を流しているのだと思います。しかし、もともと火力・水力で足りていることは、政府の統計データが示しています。

R:そもそも、足りなくなるかもしれないのは、真夏のすごく短い時間帯の話なのですよね。

小出:そうです。最大需要電力量というのが発生する時があるのですが、それは真夏の数日間の、また午後の数時間という、本当にわずかな時間帯に、電気をたくさん使うのです。けれども、その時間帯ですら実は足りてしまうのです。
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