イスラエル軍からの激しい攻撃が続く、パレスチナ暫定自治区ガザ。死者数は、8月4日現在で1800人を超えた。爆撃は広範囲にわたり、女性や子どもを含む一般住民に多数の犠牲者が出ている。古居みずえが現地ガザから報告する。(アジアプレス編集部)

8月5日、ベイト・ハヌーンに入ると、ことごとく攻撃の傷跡が残されていた。モスク、病院、そして避難所として人々が使っていた国連の学校も。戦車のあとも生々しく残っていた。(ベイトハヌーンで  撮影・古居みずえ)

8月5日、ベイト・ハヌーンに入ると、ことごとく攻撃の傷跡が残されていた。モスク、病院、そして避難所として人々が使っていた国連の学校も。戦車のあとも生々しく残っていた。(ベイトハヌーンで  撮影・古居みずえ)

 

◆攻撃の傷跡 8月5日

停戦の日、イスラエル軍に最も激しく攻撃されたところのひとつ、ベイト・ハヌーンに入った。

まず目に入ったのが戦車の残した生々しい傷あとだった。この地域は緑豊かな農業地帯だったが、イスラエルとの境界にあり、何度も攻撃を受けてきた。

2006年に筆者が制作したドキュメンタリー映画「ガーダ パレスチナの詩」の舞台にもなったところだ。ベイト・ハヌーンで農業を営んできたウンム・バシームは、2001年にイスラエル軍の攻撃で農地を失った。

その後は息子さんのところで生活を続けていたが、1年後に亡くなった。夫のアブ・バシームが無事でいてくれるのを願っている。
【ガザ地区 古居みずえ】

【ガザ攻撃】
6月末、パレスチナ暫定自治区ヨルダン川西岸で行方不明になっていたイスラエル人の少年3人の遺体が発見され、イスラエル政府はイスラム原理主義組織ハマスの犯行だとして非難。今月初めにはこれに対する報復と見られるパレスチナ人少年殺害事件がエルサレムで発生。少年は焼き殺されたと報じられたことから、自治区ガザで抗議が広がり、ハマスがロケット砲撃をおこなった。イスラエルはただちに報復を決め、本格的な空爆作戦を開始。爆撃は広範囲にわたりハマス幹部宅やハマスのロケット弾発射地点など1000か所を超え、女性や子どもを含む一般住民に多数の犠牲者が出ている。またハマス側も数百発を超えるロケット弾で応酬を続ける。ガザ攻撃は過去にも何度も 起きており、2008-2009年にはパレスチナ、イスラエル双方の死者は千人にのぼる。その犠牲者の多くはパレスチナ住民だった。

 

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