建築物のアスベストが違法に除去されて飛散したり、ずさんな工事が始められかけて問題になった際のリスクコミュニケーションをめぐり、環境省が「秘密裏」 に検討会を開催していた。前回は会議が非公開である理由が言い訳としか理解できない現状を報じた。今回は残された問題点について明らかにする。(井部正 之)

環境省会計課から入手した、アスベストに関する「リスクコミュニケーション検討会」の発注仕様書。「環境省の指示により」など、請負者は環境省の下働きというのが分かる(赤傍線は筆者)

環境省会計課から入手した、アスベストに関する「リスクコミュニケーション検討会」の発注仕様書。「環境省の指示により」など、請負者は環境省の下働きというのが分かる(赤傍線は筆者)

 

事業者と行政、住民など関係者が問題点や疑問などを話し合って解決を図るリスクコミュニケーション。このリスクコミュニケーションのあり方を決める国の検討会が存在すら秘密にされていたというのは笑い話としか思えない。

通常なら非公開の検討会であっても、いつからどのような内容の検討会を開催するかについては公表される。そこに非公開の理由も示される。ところが、今回の件では検討会の存在自体が隠されていた。

同省の担当者に問うと「公表する検討会でない」との答えだ。理由を尋ねても「公開しないから」と繰り返すばかりだ。理由すら明かせないとは情けない話である。当初は委員構成すら「非公開」と主張したほどだ。

確かに外部に発注する委託事業に付随しておこなわれる検討会では非公開の場合もある。

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