闇市場で拾い食いしているコチェビたち。1998年江原道の元山市にて撮影アン・チョル(アジアプレス)

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◆コチェビたち
物乞い、拾い食いをしながら流浪生活する人々のことを、中国に越境してきた北朝鮮難民たちは「コチェビ」と呼んでいた。簡単に言えば浮浪児、浮浪者、ホームレスのことである。

邦訳すると「コッ」=「花」、「チェビ」=「ツバメ」で、「花ツバメ」だという人もいるが、名前の由来は北朝鮮難民たちに訊いても判然としない。「花ツバメ」だとすると、彼らの境遇はその可愛らしい名前とはあまりにかけ離れている。彼/彼女らは飢饉の果てに家を捨て、当てどなく彷徨い、闇市場で拾い食い、盗み食い、物乞いをしてなんとか命を繋いでいる。

その名の由来についていろいろ調べていくと、どうも語源はロシア語のようである。「流浪の」「遊牧民」を意味する「コチェボイ」という単語がある。おそらく、日本植民地支配からの解放後、あるいは朝鮮戦争後に、北朝鮮地域に滞在していた大勢のロシア人が使った「コチェボイ」が訛ったのではないかと思う。

闇市場に集う子どもたちは、彼・彼女らの目線によって3種類に分類できた。まず、地面を向いてキョロキョロしている子どもたち。この子たちが探しているのは地べたに落ちている食べ物である。

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