(参考写真)中国との国境を警備する兵士たち。2008年8月平安北道朔州(サクジュ)郡 撮影:クォン・ジョンヒョン

北朝鮮最大の祝日である4月15日の太陽節(故金日成生誕日)に合わせて、日本はじめ多くの外国報道機関が平壌に入ってリポートを送り始めた。「飾り付けられた平壌市内は穏やかな祝賀ムード」と、各メディアは伝えている。

このように、大行事に合わせて外国メディアを大挙入国させるのは、北朝鮮政権の常套的な宣伝戦術である。早速13日には、金正恩氏の肝煎りで建設を進めて来た超高層アパート街「黎明通り」に連れて行かれていた。15日には、予定される軍事パレード(閲兵式と北朝鮮では言う)の様子を撮影させると思われる。

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金正恩政権の目的は主に二つ。まず、国際社会による経済制裁や、韓米の合同軍事訓練などの圧迫がありながらも、金正恩氏のもとで人民は一心団結していて動揺はなく、経済建設が順調であると訴えることだ。二つ目は、軍事パレードで新型ミサイルなど何らかの新武器を登場させて、核とミサイル開発がさらに進んでいることアピールすることだ。外国メディアを利用して世界に宣伝しようという、金正恩政権なりのメディア戦略、イメージ戦略である。

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さて、平壌に入った日本のメディアも、平壌の「緊張なく祝賀の雰囲気」を伝えているが、実情はまったく違うようである。4月初めから全国で民兵組織が総動員されて警戒態勢に入り、一般住民も招集されて連日軍事訓練を行っている。3月にはドローン撃墜命令も出されて警戒が続いているようだ。

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4月10日、北部の咸鏡北道(ハムギョン北道)に住んでいるアジアプレス内部の取材協力者が、以下のように伝えてきた。

―― 米国と南朝鮮が軍事訓練をしていて、すぐにでも戦争が起こすかもしれないと緊張しています。動員態勢を整えるよう機関や企業所ごとに指示が降りてきています。4月初めから教導隊、労農赤衛隊、赤い青年近衛隊が訓練に入りました。民間武力非常召集訓練です。

※教導隊 陸軍歩兵師団レベルの武装と編成を備えた予備軍。 労農赤衛隊 教導隊のレベルに満たない中高年層と未婚女性で構成。 赤い青年近衛隊 高級中学校5~6年生(16-17歳)で構成。
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