(参考写真)移動する若い兵士たち。皆痩せている。2008年8月平壌市郊外にて撮影チャン・ジョンギル(アジアプレス)

 

4月中旬から、北朝鮮軍が巡航ミサイルによる攻撃に備えるためにトンネル陣地の防護壁の補強作業を始めているが、合わせて空襲に備えた軍部隊の非常訓練が実施されているものの、物資と食糧の調達が十分できず、栄養失調になる兵士が増えていることが分かった。(カン・ジウォン)

◆古タイヤでミサイル攻撃に備えよと指示
清津市に駐屯するある部隊の現地関係者は、5月17日にアジアプレスに軍部隊の近況について伝えてきた。その内容を紹介しよう。

「最近、誘導ミサイルによる攻撃に備えて、全軍のトンネル陣地だけではなく、兵器や軍用車両が隠されているトンネルも、入口から20メートルの地点を古タイヤで覆うように指示が降りてきた。ところが、その古タイヤを集めるために、兵士たちは農場から牛車の車輪のタイヤまで盗んでいる。

以前にも古タイヤを集めろと指示があったのだが、どこの部隊も燃料が不足していて、集めたタイヤを暖房と炊事に使うために燃やしてしまった。(上部の)検閲があるので、今回また古タイヤを集めなければならないが、数日経てばまた薪代わりに燃すことになるだろう」
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この軍関係者によると、トンネル陣地の防護作業と共に、空襲に備えた訓練も実戦さながらに行われているが、それを指揮する立場の将校から不満が上がっているという。

「5月17日時点で、(各部隊で)空襲に備えた緊急招集と避難訓練を2回以上行った。トンネル陣地の中で2日寝泊まりしたのだが、将校たちは『戦争が起これば核戦争になるんだから、土嚢を積んでトンネル陣地を守るより、(兵員は)トンネル陣地の中に入らずに散らばった方が戦闘力の維持に有効なはずだ』と批判していた」
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