ザルミーナがいた部屋。ここで双子の乳児とともに約2年を過ごし、執行の日を迎えることになる。(2002年-撮影:アジアプレス)

受刑者たちのスカートのすそから子どもたちが顔をのぞかせた。乳児を持つ女子受刑者は、監舎内で子どもを育てることを許されている。
ザルミーナが入所したとき、生後半年の双子の赤ん坊がいたため、2年半、ここで育てていた。

彼女がいた房には、やかんとコップ、薄いふとんがおりたたんであり、ひどく汗くさかった。

鉄格子の窓の外には、井戸のあるちいさな中庭をはさんで続く獄舎、そして空が見えるだけだった。
どの女性刑務官もザルミーナのことはよく覚えていた。

他のだれもが言うように、ザルミーナはひときわ美しい女性だったという。
シェヒルバヌ(35)は、処刑の日、ザルミーナを競技場に連れて行った2人の刑務官のひとりだ。ブルカ姿の彼女がザルミーナにつき添う姿は、隠し撮りされたビデオ映像にも残っている。

刑務官シェヒルバヌは、タリバン政権時代から刑務官を務めていた。ザルミーナが収容されていた部屋で当時のようすを話す。(2002年-撮影:アジアプレス)

事件については、夫から暴力を受けていた、とザルミーナから聞かされていた。
一方で、夫を殺害するときは「ウイリアム5」という名の睡眠薬を事前に飲ませていたらしい、という噂話まで知れわたっていたようだ。

シェヒルバヌは、彼女が夫を殺したことは事実と思う、と話した。

ザルミーナは幼いふたりの子どもがいたこともあり、孤独ではなかったが、ときおり獄舎の外を眺めながら、物思いにふけることもあったという。(つづく)【玉本英子】

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(10)女子刑務所で 写真5枚
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