私は、その家にいた女性たちに、処刑されたザルミーナについても尋ねてみた。

すると、
「夫の暴力に耐えられなくなって殺したんだって」
「殺す前に、夫に睡眠薬を飲ませて眠らせたのよ」
と皆、驚くほど知っていた。噂で聞いたのだという。
メディアというものがほとんどなかったアフガニスタンでは、噂が人びとの強力な情報源となっていた。

タリバン政権崩壊から3カ月後のカブール。雪が山肌を白く染めていた。(2002年2月)

「もっと詳しく知っている人がいるから紹介してあげる」
私は、夫を失ったある女性を紹介された。女性の就労が禁止されたタリバン政権時代、その女性は各家庭をまわって掃除や洗濯の仕事をしていた。

戦争や病気で夫を亡くした人は多い。そうやって彼女たちを扶助するしくみが、自然と出来上がっていた。
その女性は、仕事で回った先々の家の人たちが話す噂を聞いて情報を得たのだという。私は、彼女から得た情報をたよりに、話からききだした地区におもむき、時には戸口をたたいてたずねまわった。

そして家族の家や夫を殺した事件現場を探しあてた。(つづく)【玉本英子】

第2回 >>>

 

(14・最終回)裁判所で見つけた警察調書と顔写真 写真2枚
(13)娘の最後の日 写真3枚
(12)競技場での公開処刑 写真6枚
(11)カブールの売春婦たち 写真4枚
(10)女子刑務所で 写真5枚
(9)タリバンは巨大な悪なのか 写真4枚
(8)タリバン支持の村に暮らす次女 図と写真3枚
(7)長女が語った意外な言葉 写真4枚
(6)遺された子どもたち 写真6枚
(5)札びらを切る外国メディアの姿 写真4枚
<特選アーカイブ>アフガニスタン~「ザルミーナ」公開処刑された女性を追って(4)写真6枚
<特選アーカイブ>アフガニスタン~「ザルミーナ」公開処刑された女性を追って(3)写真3枚
<特選アーカイブ>アフガニスタン~「ザルミーナ」公開処刑された女性を追って(2)写真4枚
<特選アーカイブ>アフガニスタン~「ザルミーナ」公開処刑された女性を追って(1)写真4枚