ささいなことで激しく言い争う市場の女性商人と客。1998年10月元山市にて撮影アン・チョル(アジアプレス)

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韓国入りを果たす北朝鮮難民が急増している。韓国の情報機関である国家情報院の発表によると、1998年71人、1999年148人だったのが、2003年には1281人、2004年1800人超、2005年も1100人を超え、で7000人を突破した。このペースで増えていくと、数年内には韓国入りする北朝鮮亡命者の数が1万人を超えるのは確実である。

(※一般的に「脱北者」と呼ばれるが概念はだ。韓国では「北韓離脱住民」という呼称を経て、「新しい場所に来た人」を意味する「セト民」が公式な呼称である。本書では、北朝鮮を脱出して中国等で潜伏生活をいられている人を「北朝鮮難民」、韓国入りを果たした人を「亡命者」と区別することにする)

この亡命者の急増が、徐々にではあるが韓国社会で波紋を広げている。同じ民族でありながら、亡命者たちが明らかに韓国人とは異質な部分があることが少しずつわかってきたからだ。また、当の亡命者たちの評判があまりしくない。

政府関連機関の職員を除くと、亡命者をもっともよく知るのは、支援をしてきたNGOの人々だが、この支援者たちがさまざまな苦言を呈し始めているのだ。

「かなりの金と労力を使い、ヤバイ橋も渡って中国から韓国に連れ出したのに、『自分たちは韓国に行くまで3年もかかった。ほかにはもっと早く韓国入りした人もいる。自分たちは運動に利用された』と陰で言いふらしてるんです。もう、縁を切ろうかと思っています」(日本の難民支援者)

「職場を紹介してもすぐ辞めてしまう。現金を持つと車やら必要のない贅沢品を買ってしまい、困った後で泣きついてくる。後先のことを考えない人が多いんですよ」(韓国の難民支援者)

「私が韓国入りさせた一家10人が、韓国に入って真っ先に何をしたと思いますか? 政府から出る定着支援金で、男は1人1台ずつパソコンを買いました。まあ、これはいい。女性たちは、まず最初に(まぶた)を二重にする整形手術をしたのですよ。まだ、中国から脱出できない親戚がいるというのにねえ…」(韓国の難民支援組織代表)

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