市が「必要ない」と削除させた報告書の一部には煙突内のアスベストを再除去作業後も取り残しが存在することまで指摘していた(事業者提供資料より)

削除された報告書では2017年4月11日の作業後に目視確認をした状況として、煙突内の上部から下部まで〈螺旋状に除去残しが確認できる〉と3枚の写真とともに指摘。さらに同4月15日の作業後にも〈4/12に手の届く範囲を再度除去したと聞いたが、落としきれていないようだ〉、〈薬液で白くなった除去残しアモサイト(カポスタック)〉と写真付きで再作業後も取り残しが存在することが報告されている。

この記載に基づいて追及されると建築監理課はあいまいな言い方になり、「(建築課の)課長と課長補佐が2人ともインフルエンザで欠席。そこまでの確認はできてない」と逃げる姿勢をみせた。

だが、建築課の担当者に改めて聞くと「4月12日に一度(再除去に)入っております。で、この写真のあとには入っておりません」「それ以降は触っていない」と取り残しの存在を認めた。

違法解体を再現しアスベストの飛散を調べるようす。違法工事では養生もなかったが、2017年3月の実験では飛散しないよう隔離養生をしていた(堺市資料より)

同席した長谷川俊英市議が「(煙突内にアスベストが)残っていることは市全体で共有できてるのか」と指摘すると、建築監理課は「残っているという認識がない」と反論。

長谷川市議が「彼(建築課の担当者)が残っているといっている。そういう情報が共有されていないことがまず(問題として)ある。都合の悪い情報を隠すために出させなかったということではないか」と追及した。

建築監理課は「当時のことは私もわからないですけどね。(欠席した2人に)電話で聞いた中では、もちろん隠すとかではなかった」と釈明したが、苦しい言い訳にしか聞こえなかった。

結局それ以上明確には答えられず、調査後に改めて回答することになった。

消された報告書の一部より抜粋した写真とメモ。螺旋状に残ったアスベストは除去されないままとなったことが建築課職員の証言からも裏付けられた(事業者提供資料より)

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