2015年の日本人人質殺害事件。当時、反IS地下組織がラッカの状況を伝えた。

◆命がけの秘密撮影

内戦が続くシリアを題材にした、いくつかの映画が日本でも上映されている。その一つ、「ラッカは静かに虐殺されている」には考えさせられた。過激派組織「イスラム国」(IS)支配下のシリア・ラッカの状況を伝える市民記者グループを追ったドキュメンタリー映画だ。

現在、日本でも公開中の映画「ラッカは静かに虐殺されている」。ラッカ内部のメンバーと連携して、トルコやドイツで反IS活動を続けるメンバーたちの姿を描いた作品。

静まり返ったラッカの夜、警戒中の戦闘員の目を盗んで、街角にスプレーでIS批判の文字を書くメンバー。その様子を世界に向けてネットで発信する。どの地区で公開処刑があったのか、何人が殺されたのか、グループは隠しカメラで撮影し、記録した。

「背教徒」として殺害され、数日間放置される遺体。広場の鉄柵に並べられる生首。情報統制の中、ISの恐怖支配の実態と、そこに暮らす市民の姿が生々しく映し出される。撮影が見つかれば自身もスパイとして処刑は免れない。

反IS活動を続けていた「ラッカは静かに虐殺されている」メンバーのひとりを、ISはトルコ・ウルファで暗殺。IS映像には「背教徒は静かに虐殺されるのだと思い知れ」とある。(2015年・IS映像)

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