◆まるで原始時代だったのに

北朝鮮では今年に入り、住民地区への電気供給が急速に悪化し、1秒も電気が来ない「絶電」地区が広がった。不便を強いられた住民たちは「まるで原始時代だ」「電気がない国になった」と不満が強まっていた。

突然の電力難解消の理由について、両江道の協力者は、
「噂では、中国の電気が入ってきたという人がいたり、第2経済(軍需経済)の電気を回したのではないかという人がいたりするが、詳しくは分からない」と言う。

一方、電力供給状況の改善と並行して、地域の配電部の役人が各戸を回って保有している電器製品の調査に乗り出している模様だ。両江道の協力者は次のように言う。

「家々を回って調査があり、今後電器製品の数に応じて電気料金を計算するか、一括して一月に1万ウォン(約120円)ずつ徴収するか検討している。また住民に負担させて電力計を設置させる案もあるそうだが、まだ決定されていない。電気がちゃんと供給されるなら一月に1万ウォンを出してもいいという意見が大半だ」

アジアプレスですでに報じたが、平壌では昨年、各戸を役人が回って20~30米ドルを負担させて電力計を購入させようと試みていた。しかし、
「電気も送らないのにカネだけ取るのか」
「社会主義はどこへ行った」
と反発が大きく、実際に設置した家庭はごくわずかにとどまった。

両江道や咸鏡北道でも、昨年11月から毎月1万ウォンずつ電気料金を支払えという通知があったが、「絶電」に対する反発で徴収は中断されていた。

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