厚生労働省の出先機関・都道府県労働局のうち13労働局で永年保存のアスベスト関連文書が誤って廃棄されていた問題で、各労働局のウェブサイトで事実関係を公表しているのはわずか4労働局だった。(井部正之・アジアプレス)
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アスベスト関連文書の誤廃棄が50件と2番目に多かった兵庫労働局の報道発表ページにはこの件の発表資料は未掲載。同様の労働局は少なくない

 

◆ネット未掲載「理由は特にない」

今年3月以降、埼玉、神奈川の各労働局で個人情報の開示請求によって発覚したアスベスト関連文書の誤廃棄問題。全国13カ所の労働局で計220件の「永年保存」文書が廃棄されていた。

この不祥事について、労働局のウェブサイトに記者発表資料を掲載したのは、8月14日現在で今回の誤廃棄発覚のきっかけとなった埼玉、神奈川の2労働局以外では、福島、三重の2労働局の計4労働局だけだ。

今回の不祥事をあえてネット掲載しないのはなぜか。未掲載の9労働局(千葉、新潟、石川、京都、兵庫、和歌山、広島、福岡、長崎)に理由を聞いた。

和歌山、広島労働局は「いつもはネットに掲載しているが、お盆で担当職員が不在のため遅れている」と単純に事務的な遅延だったと説明。実際に同16日に確認したところ、和歌山労働局は発表文を掲載していた。

一方、新潟、兵庫労働局は「慣習的に記者クラブの投げ込みだけ。理由は特になく、隠すつもりはなかった」と釈明した。両労働局はネットへの掲載について「ご指摘を受けたので今後検討したい」と答えた。

ネットにおける公表をしないことについて、厚労省働基準局総務課は「本省として統一的な指示をしていない。各労働局の事情なり考えがあるのではないか」という。しかし、「慣習」以外の理由はうかがえない。

国の機関である以上、不祥事の公表方法くらいは統一すべきではないか。

なお、そのほかの労働局は担当職員が不在で回答が得られなかった。

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