(参考写真)通行証の有無を確認する「10号哨所」の保衛省の兵士。2013年10月北部地域にて撮影「ミンドゥルレ」(アジアプレス)

◆大々的な住民動態調査が進行中

金正恩政権が対外的に「対話モード」をアピールしている一方で、自国民に対する監視と統制の強化を進めている。

その一つが、「人口調査」の名のもとに行っている住民の動態調査だ。保安員(警官)が人民班長とともに家庭訪問して「住民台帳」と照合する。北朝鮮では2011年に「公民証」(身分証)を更新したが、その後、脱北、行方不明、居住地離脱した人が膨大に出たため、金正恩政権は住民把握と管理のために、「公民証」を更新する作業を行っている。
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「昨年末頃から住民対象に写真撮影が始まった。当初は5月頃には再交付すると言われていたが遅れていて、8月中には終了すると見込みだと聞いた」
と北部地域に住む取材協力者は言う。

北朝鮮には居住地選択、移動の自由がない。それでも、より経済的に有利な条件を求めて、密かに転居したり、場合によっては北朝鮮から脱出したりする住民がいる。役人や幹部に不正腐敗が蔓延しているため、賄賂でもみ消す事例が後を絶たない。

「身内が脱北して韓国に行った場合、賄賂を使って行方不明だとか死亡したと届け出をする。しかし、細かく調べられると発覚するかもしれず、『人口調査』を怖がる人が少なくない」
前出の協力者の弁だ。

この「人口調査」は国際社会とも関係している。今年10月に北朝鮮政府は国連人口基金と共同で総人口調査をする計画で財政支援を求めており、国連人口基金は韓国に600万ドルの拠出を要請、韓国政府は支援を決めている。だが、国連機関との共同調査を名目に、結果的に金正恩政権は住民に対する監視統制の費用を得られるわけである。

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