◆委員構成すら「非公開」

一方で同省は新たに「特定建築材料以外の石綿含有建材等に係る石綿飛散防止検討会」を設置。委員を半分ほどにしぼって、民間への調査研究委託を隠れ蓑に2015年度以降も非公開で検討を続けていた。

通常なら非公開の検討会であっても委員構成や開催日程、検討概要は公表される。ところが、同省は委員構成や開催日程、検討概要すら秘密にしていた。

筆者がこの“秘密”検討会の開催を知ったのは、同省のウェブサイトを見ていた際、たまたま民間への委託業務の公告が検索で引っかかったからだ。

同省大気環境課に委員構成などを聞いても「民間への調査研究委託」を理由に答えない。

だが、発注仕様書を確認したところ、委員構成や調査・検討事項、検討方法などすべてにわたって同省に指示を仰ぐよう記載されており、受託した民間企業が独自に調査・検討する余地はほとんどなかった。民間への調査研究委託というより、検討会の運営における事務作業を下請け委託しているかのようである。

ちなみに厚生労働省は「石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル」改訂業務で検討会開催も併せて民間委託しているが、検討会は公開で実施してきた。環境省委託でも2013年度の同省「建築物の解体等に係る石綿飛散防止対策マニュアル」改訂においては公開で委員会を開催している。

それらを指摘すると、「自治体や企業、業界団体にヒアリングしており、プライバシーの問題もあるため公開できない」などと説明が変わった。

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