平壌市中心部の楽浪区域のアパート街は、まるで市場のように賑わっていた。食べ物を売る露店が多い。2007年 8月撮影リ・ジュン(アジアプレス)

(参考写真)平壌市中心部の楽浪区域のアパート街は、まるで市場のように賑わっていた。食べ物を売る露店が多い。2007年 8月撮影リ・ジュン(アジアプレス)

では、なぜ個人経営の食堂が取り締まりの標的になったのだろうか? 協力者は、当局の今回の措置が国営サービス業の利権を保護するためだとしながら、
「今年初め、反社会主義の検閲により、個人薬商売、個人食堂を全面禁止して混乱が発生したことがあったが、1カ月でウヤムヤになった」と述べ、今回の措置も長続きしないのではと疑問を呈した。

人民委員会(地方政府)傘下の商業管理所や貿易局などの国家機関が多くの食堂を運営しているが、価格が高いため一般庶民は国営食堂より値段の安い個人食堂を利用することが多く、個人食堂が流行り、儲かっている店も多い。

この度の個人食堂の運営禁止措置が全国的なものなのか、現段階では不明だ。市場経済拡大で食堂をはじめとしたサービス業種で個人による営業が増え、国家機関やトンチュと呼ばれる新興成金が機関の傘下に作ったサービス業者と競合している。小規模であれ個人が生産手段を持つことを抑制し、国家機関とトンチュの利権を保護しようというのが、今回の措置の目的だと考えられる。

協力者はまた、「個人食堂の営業中止に先立ち、10月8日から中央防疫機関が市場付近の飲食商売と商業管理所所属のすべての食堂に対して(衛生)検査を行い、不適合の飲食店は営業停止になるか、閉鎖された」と述べた。防疫検査を名目に、個人食堂に圧力をかけるのが目的と思われる。

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