(参考写真)検問所に立つ青い制服の交通保安員。2011年1月平安南道にて撮影キム・ドンチョル(アジアプレス)

◆「青虫」「道路のヤクザ」と呼ばれる交通警官

北部の両江道に、12月初めに交通信号機が初めて設置され、住民たちから歓呼の声が上がっていると、国内の取材協力者が伝えてきた。

信号機が設置されたのは、道庁所在地で推定人口約20万人の恵山(ヘサン)市の恵山駅前の交差点で、赤、青、黄色の光が灯された。

信号機が設置されて住民たちが喜んでいるのは、混雑が緩和されるからではない。交通整理の名目で交差点に立つ交通保安員(警官)の姿が減ったからだ。取材協力者は次のように述べる。

「交通保安員のことを私たちは『青虫』とか『道路のヤクザ』と呼んでいます。道で車やオートバイ、自転車を止めては難癖をつけて金品を取り上げるからです」

「青虫」とは、交通保安員の制服が青色だからだ。

『青虫』たちは、何の違反事由もないのに交差点で車を止めて言いがかりをつけ、ガソリンを抜いたり、タバコ、現金などを出せと強要したりします。保安員の中で一番金を稼いでいるのが交通課に勤務する保安員たち。自分の懐に入れるのはもちろんですが、警察組織から上納を求められてやっています」

ちなみに、11月に調査したところ、北朝鮮の一般警官の待遇は月給が3000朝鮮ウォン程(約38円)に過ぎず、食糧配給は本人に白米15キロが出ているもの家族分はないという。無理な取り締まりをして住民から罰金や賄賂を取らないと暮らせないのである。