体格はいいが少し表情が虚ろな女性兵士が路地の市場をうろついていた。階級章を見ると下士官だ。髪留めをしている。2013年6月両江道にて撮影「ミンドゥルレ」(アジアプレス)

しかし親たちの不満が高まり、2015年に原則男子10年、女子5年に短縮された。だが、戦車や船舶の操縦、航空機整備など専門性の高い兵士の不足が深刻化し、補充の難しいこれらの兵員については除隊が1~2年延期されるようになったという。

「女性兵士は、もともと高射砲、通信、看護の部隊に配属されたが、男子の兵員が足りなくなり、女子も歩兵部隊に編入されようになった。ところが、今度は女性兵士に妊娠や脱走、栄養失調が増えて、最近になって男女混成部隊はなくしてしまった」
と、調査した協力者は言う。

粗末な食事のために女性兵士にも栄養失調が常態化した。生理がなくなることは珍しくなく、上官による性的虐待が以前から問題になっていた。

「親たちは娘の入隊をなんとか忌避しようと、賄賂を使って大学や専門学校に進学させようとする」と協力者は現状を伝える。(カン・ジゥォン/ 石丸次郎)

※「軍事動員部」とは、人民武力省の隊列補充局傘下の兵役事務を扱う部署。
※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。

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