◆いたって冷静な北住民

突然のサプライズ会談に驚き、今後の展開に期待する空気が高まった韓国や日本と違って、北朝鮮の住民の反応はいたって冷静だ。それには理由がある。金正恩氏が韓米中ロの首脳と数多く会談を重ねたのに、制裁は解除されず、むしろ生活悪化が進んだため、「どうせ変わらない」「ぬか喜びしたくない」というムードが定着しているのだ。

また、前述の党会議での幹部の発言は、朝米協議が一朝一夕に進展することはないという政権の判断があり、ハノイ会談が物別れに終わって国中が失望し、金正恩氏の権威まで傷ついた経験から、国内の期待値が上がり過ぎないように神経を使ったものと見える。
※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮国内に搬入して連絡を取り合っている。

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