米海軍厚木基地の周辺上空を訓練飛行する米軍のジェット戦闘攻撃機(2007年撮影・吉田敏浩)

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◆日本の空で訓練を積んだ米軍機がイラク戦争で空爆

横田空域をはじめ日本の空で、低空飛行訓練や対地攻撃訓練(射爆撃は伴わない)をおこなう米軍機は、実際に戦争で空爆をしてきた。

2003年のイラク戦争では、当時、横須賀基地を母港としていた米海軍の空母キティホークがペルシャ湾に出動し、空母艦載機のFA18戦闘攻撃機などが、計5375回も出撃し、約390トンもの爆弾を投下して、多くのイラク人の命を奪った。

それら空母艦載機は、群馬県の上空で横田空域にふくまれ、米軍が「ホテル特別使用空域」と呼ぶ自衛隊訓練空域「エリアH」と「エリア3」の空域で対地攻撃訓練を重ねていた。

米軍パイロットは日本の空で操縦・攻撃の技能すなわち戦技を磨いて、戦場におもむき、激しい空爆を繰り返したのである。

イラク戦争では三沢基地の米空軍のF16戦闘機なども出撃した。
日本各地の低空飛行訓練ルートが、やはり米軍パイロットの戦技向上のために使われている。

横須賀基地からは巡洋艦カウペンスと駆逐艦ジョン・S・マケインもペルシャ湾に出動し、計70発のトマホーク巡航ミサイルを発射した。
ミサイルはイラクの地に降りそそいだ。

地上部隊としては沖縄駐留の海兵隊もイラク占領後に派兵され、米軍に抵抗する武装勢力を市街戦で制圧する作戦に加わった。

それら米軍の攻撃によってイラクでは多くの人命が失われ、人びとが傷ついた。
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