北朝鮮地図

◆感染検査は権力中枢優先

ロシア外務省は2月26日、北朝鮮の要請に応じてコロナウイルスの検査キット1500個を寄付したと発表した。中国当局が検査機器をすでに送っている可能性もある。3月5日に中国からの防疫用物資が平安北道新義州(シニジュ)市に緊急に送られたと米国の「自由アジア放送」(RFA)が報じている。

これら限られた量の検査キットと機器を、北朝鮮当局はどこから投入しただろうか。考えられるのはまず平壌だ。金正恩氏と権力中枢の周辺、貿易商社など外国との往来者がいる機関、特権層向け医療機関が考えられる。次は中国との窓口である新義州(シニジュ)だ。そして軍隊の順だろう。

だが、これまで感染検査はごく一部の地域と機関でしかできなかったはずで、冒頭に述べた国際機関からの防疫用物資が、今週にも入れば、ようやく水際遮断の次の段階である感染者の「動線把握」、そして「クラスター潰し」へと進むことができる。

つまり、北朝鮮当局自身が、ようやく国内の実態を知ることができるようになるわけだ。検査キットと機器が大量搬入された後の当局の動きによって、外部世界も北朝鮮内のコロナウイルス感染の有無と規模を推測できるだろう。それでも金正恩政権は、「感染者ゼロ」と言い張り続けるかもしれないが。(カン・ジウォン)

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