◆政治資金規正法違反の可能性

2019年の7月の参議院選挙に東京選挙区で日本維新の会から立候補し初当選した音喜多駿(おときたしゅん)議員は、その前年、クラウドファンディングで新党立ち上げ資金を募り、「あたらしい党」を設立していた。しかし、情報公開を徹底するという党是に反しその資金収支の透明性はなく、虚偽記載など違法の可能性があることが政治資金収支報告書を分析した結果、判明した。(鈴木祐太)

◆新党立ち上げで支援募り個人後援会の収入に

既成政党、政治家批判しながら維新から立候補した音喜多参院議員。(公式HPより)

音喜多議員は、東京都議会議員時代の2018年9月に「キャンプファイヤー(CAMP FIRE)」でクラウドファンディングを行った。そのキャンペーンページを見ると、2018年9月10日から10月10日の期間に、「あたらしい政党を作って、日本の政治を本気で変えたい!音喜多新党を立ち上げます」と題して、1187万6833円の新党結成資金を集めていた。このうち、手数料と決済手数料の17%を差し引いた約985万円が音喜多議員の手元に渡ったことになる。

音喜多議員が代表を務める政治団体「おときた駿後援会」の2018年の政治資金収支報告書には、クラウドファンディングで、985万7771円 で収入があったと記載している。ところが、「キャンプファイヤー」のページには、「おときた駿後援会」が資金集めをしているという記述はなく、音喜多議員個人が行っているとしている。これは政治資金規正法違反の虚偽記載の可能性がある。

「あたらしい党」の基本方針は「情報公開を徹底します」だったのだが…。

◆後援会の企画だったと主張

虚偽記載の疑いについて音喜多駿事務所に問い合わせると、次のような回答があった。

「本プロジェクトの開催期間中と開催後に度々活動報告をパトロン(支援者のこと)の皆様におときた駿後援会よりお送りしておりますので、本プロジェクトがおときた駿後援会によって行われたことは周知の事実です。本プロジェクトはあたらしい党ではなく、おときた駿後援会が始めた企画であり、おときた駿後援会の政治団体の収支報告書に記載されているのは当然のことと存じます」

しかし、クラウドファンディングのページには、「おときた駿後援会」が行っているとは一切書かれていない。つまり、お金を出した1034人は、「おときた駿後援会」が行っているクラウンドファンディングとは知らされていなかったわけだ。これでは「周知の事実」とは言えない。

「キャンプファイヤー」のページには「支援者様の募集は、20歳以上で日本国内の住所、電話番号(携帯電話番号を含む)、本人名義の銀行口座および公的機関が発行している身分証(免許証、パスポート、健康保険証等)もしくは学生証を持っている方のみ行うことが可能です」と記載されている。

団体が利用する時の利用資格は書かれていない。これを読む限り、団体が行うものではなく、個人で行うものと読み取るのが普通ではないだろうか。団体での募集が可能かどうか、「キャンプファイヤー」に質問状を送ったが期限までに回答はなかった。
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