(参考写真)市場で買い物をする痩せた将校。2013年8月両江道恵山市にて撮影(アジアプレス)

コロナウイルス遮断のため、中国国境の封鎖と住民統制が長引き、北朝鮮でも経済への打撃が深刻化している。困窮に耐えかねた人々の中に中国に越境して密輸や窃盗に乗り出す人が増えている。北部の両江道(リャンガンド)の取材協力者が4月初旬に伝えてきた。

金正恩政権はコロナウイルス流入を遮断するため1月末に中国との国境を封鎖。貿易が止まって中国に依存してきた日常物資が入ってこなくなった上、国内の移動統制も厳しくなり物流が麻痺している。

3月末に新義州(シニジュ)―丹東間の交易が部分的に再開されたが、2カ月以上続く封鎖で、商行為や荷役などの日雇い仕事で日銭を得ていた庶民層に大きな打撃が出ている。
耐えかねた庶民の中に中国に越境する人が出ている。目的の一つは密輸だ。

「商売人の使い走りで、靴や衣料品、雑貨、食用油などを中国側の密輸屋から買って来る。中国のコロナ禍が一段落したので、国境警備隊の兵士も気が緩んでいて、一緒に組んで密輸を再開している」

取材協力者はこのように言う。兵士たちも困窮して飢えているのだ。

コロナウイルス防疫のため、北朝鮮当局は中国国境エリアの統制を強化し、鴨緑江への接近、密輸は軍法で処罰すると通達していた。
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