◆「今後は公開検討」と回答したが

そう追及すると同課はあわてて否定し、「個別具体的なことを検討することもある」として、実際に具体的な現場について図面を示しつつ議論したと説明を変えた。

だが、同省によるほかの検討会でもそのくらいのことは珍しくない。具体的にどこの現場なのかがわかってしまうことが問題ならば、具体的にどこなのか明かさなければよいだけのことだ。図面からわかってしまうというのであれば、略図にすればよい。それでも無理というのなら、その資料だけ委員限りにするとの対応も可能のはずだ。

こう指摘したところ、さらに同課は「政省令が決まっていないなかでの検討だったので、公開だとそういうことにも影響が出る」と言い出した。これにしてもあり得る改正で複数のパターンを挙げるなどすればよいだけだろう。

「非公開が必要との理由になってない」と重ねて反論すると、同課は「今回はもともと非公開と決めている」と認めた。実際にはこれが本音だろう。最初から非公開と決めて発注したから。おそらくそれだけの理由なのだろう。

同省大気環境課はアスベスト規制への検討において、ここ3~4年で対応の不透明さが増しており、委託事業として非公開で検討を進めることが多くなった。

同じ委託事業における検討でも、厚労省はこの間マニュアル改訂の検討会はすべて公開で実施してきた。環境省も2013年のマニュアル改訂は公開だった。今回も公開にできない特別な理由などないはずだ。すでに政省令も10月下旬に公表済みであり、もはや非公開とする理由は1つもなくなったといってよい。

同省は2021年3月までにあと3回検討会の開催を予定しているというので、筆者は同省には公開での実施を要請した。同課は「今後の開催は検討させていただく」と答えた。

数年前から隠ぺい体質を強めてきた環境省大気環境課が今回もそれを実証するのか。11月19日現在、開催日程などの公表はない。

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