吉田敏浩 ルポルタージュ
45 米兵が犯罪を起こす構造的問題
判決文には、本人の供述などに基づく、犯行当時のリースに関する記述がある。彼が乗り組んでいた空母キティホークは、2005年10月24日に横須賀を出港し、同年12月12日に帰港するまで...
2010年1月27日 11:11
44 「人を殺すことに何のためらいもない......」
横浜地裁で判決が言い渡された2009年5月20日、法廷で原告側の席に座った山崎正則は、判決文を読む裁判官をじっと見つめていた。そして、向かいの被告国側の代理人席にも視線を向けた。
2010年1月20日 10:45
43 在日米軍の責任までは認めなかった判決
加害米兵だけではなく、在日米軍と日本政府の責任をも問う原告側に対して、被告側の国は概ね次のように反論した。
この犯行は、米兵のウィリアム・リースが職務と無関係に...
2010年1月13日 09:21
42 裁判で原告側は在日米軍の責任を追及した
2009年5月20日、横浜地裁で、山崎ら遺族が加害米兵と国に対して損害賠償請求をしていた裁判の判決が言い渡された。米兵、ウィリアム・リースに対しては不法行為の責任を認め、約6500万円の支払いが命じられた。しかし...
2010年1月 6日 10:14
41 人命よりも日米同盟が重いのか!
「妻が米兵に殺されるまで、私も妻も米軍は日本を守るために駐留していると思っていました。米軍と日本政府が言うように『良き隣人』としてです。だから妻は道を聞かれて立ち止まったのです。それなのに妻は血まみれになって殺されました」 そう語ってから、山崎はあるエピソードを挙げた。事件が起きた年の前年、2005年秋のある日、妻の好重と横須賀中央駅前で待ち合わせときのことだ...
2009年12月30日 09:54
40 横須賀、米兵による強盗殺人事件
防衛省が赤嶺政賢衆院議員(共産党)に提出した資料によると、1952年度~2006年度の在日米軍による事件・事故の件数と死亡者数は、公務中で47650 件・517 人、公務外で157135件・564 人にも上る。
2009年12月23日 09:02
39 米軍ファントム機墜落事故の被害者は訴える
「それが政府機関の常套手段なのです。正式な文書は秘密にしておいて、米軍と米軍優位を認める日本政府に都合のいいように要旨をまとめるんです。私たち家族が被害にあった米軍機墜落事故の調査報告書でも同じでした」
2009年12月20日 09:45
38 米軍機事故現場への立ち入りと日本側の独自な決定権
その注目すべき規定は以下の通りである。
「立入制限区域への米軍要員以外の者の立入りは、日本側責任者が決定すること。今後は、米軍要員以外の者については...
2009年12月 9日 09:51
37 日米当局による米軍機事故現場の共同管理
さらにこの問題をめぐっては、『実務資料』の211~221ページに、1959(昭和34)年7月14日の法務省刑事局長発、検事総長、検事長、検事正あて通達「合衆国軍隊が使用する施設又は区域外における同軍隊航空機の事故現場における措置について」が載っている。
2009年12月 2日 09:47
36 米軍機墜落・不時着現場での措置をめぐる秘密合意
問題の「合意事項」には、米軍優位の合意内容がまだほかにもある。しかもそれを覆い隠すために、「合意事項」の要旨として日本政府が公表している「刑事裁判管轄権に関する事項」で、意図的に重要な部分を書き替えたり、削除したりしているのである。
2009年11月29日 10:33
35 「公務証明書」の乱用ともいえる事態
「このように日米当局の間で、公務中の範囲をたえず拡大するベクトルが働いています。米軍が『公務証明書』を簡単に発行して、公務中だと言い立てれば、日本の警察は、逮捕することも、取り調べることもできない...
2009年11月18日 10:49
34 公務の範囲をめぐって後退する日本政府の姿勢
こうした公務の範囲の拡大解釈が合意される以前に作成・発行された、法務省刑事局の秘文書『外国軍隊に対する刑事裁判権の解説及び資料』(「検察資料」〔66〕1954年))の、米軍人・軍属の犯罪に対する裁判権についての解説で、注目すべき記述がある。
2009年11月12日 08:54
33 米軍側の強い要求と日本側の一方的な譲歩
この日米合同委員会刑事裁判権分科委員会の会議公式議事録には、さらにまた驚くべき記述も出てくる。
「(米)公務に関する当委員会の提案のうちで使用されている『飲酒』という用語は、公の催事以外の場所で飲酒することを指すものと当方は解釈する。しかしながら...
2009年11月10日 07:26
32 米軍人・軍属による交通事項と公務の問題
このような公務の範囲を米軍側に有利に拡大解釈する合意が、日米合同委員会で承認されるに至った背景には、1954年から55年にかけて米軍人や軍属が通勤途中に起こした4件の交通事故がある。いずれも日米合同委員会で議論された結果、公務中として事件処理された。
2009年11月 4日 08:34
31 米軍人・軍属の公務の範囲を拡大解釈する日米合意
日米地位協定第17条第3項(a)( ii)の「公務執行中の作為又は不作為から生ずる罪」、つまり米軍人・軍属が公務執行中に犯した罪の第1次裁判権は米軍側にあるとの規定をめぐっては、まだいくつもの問題点がある。
2009年11月 2日 10:38
30 骨抜きにされた安保刑事特別法第11条
しかし、1953年9月29日に「行政協定第17条を改定する議定書」が日米間で結ばれた。その結果、協定第17条第3項(a) に掲げる、1.もっぱら米国の財産もしくは安全のみに対する罪、またはもっぱら米軍人・軍属・それらの家族の身体もしくは財産のみに対する罪、2.米軍人・軍属の公務執行中の作為または不作為から生ずる罪は...
2009年10月29日 11:21
29 安保刑事特別法と問題の「合意事項」
『外国軍隊に対する刑事裁判権の解説及び資料』も、『外国軍隊に対する刑事裁判権関係通達・質疑回答・資料集』も、『合衆国軍隊構成員等に対する刑事裁判権関係実務資料』と同じように、法務省刑事局作成・発行の「検察資料」のシリーズに含まれて...
2009年10月27日 09:10

28 国内法令よりも日米の秘密合意事項を優先

安保刑事特別法第11条の規定と「合意事項」第9項(a) の内容が相反している点をめぐって、過去に検察当局者の間にもそれを指摘する声があった。
2009年10月22日 09:34
27 国内法令に反するような事項は含まれていないか?
法務省刑事局の見解として、『実務資料』の8ページに、合意事項には「地位協定や国内法令に反するような事項は含まれていない」と書かれている。しかし、それについては疑問点もある。
2009年10月20日 09:39
26 日本政府の従属的な姿勢
米軍人や軍属である被疑者の身柄を米軍側に引き渡してしまうと、日本側の捜査、取り調べは難しくなり、不利となる。公務執行中ではなく、日本側に第1次裁判権があったかもしれないのに...
2009年10月15日 10:34
25 米軍優位の規定を隠す書き替え
「合意事項」とその要旨である「刑事裁判管轄権に関する事項」とで、重大な食い違いがある点を具体的に挙げてみたい。
2009年10月13日 09:24
24 隠されてきた「合意事項」全文
さらに、『実務資料』の8~9ページには、前述した「合意事項」に関する解説の「(注)」が載っている。
2009年10月 8日 09:28
23 不透明な日米合同委員会での合意
このような米軍優位の「合意事項」を取り決める、日米合同委員会とはどんな組織なのだろうか。外務省のホームページには「日米合同委員会組織図」が載っている。日本側は代表が外務省北米局長、代表代理として法務省大臣官房長、農林水産省経営局長、防衛省地方協力局長...
2009年10月 6日 10:25
22 公表されていなかった在日米軍の施設・区域
現在、日本政府が公表している在日米軍施設・区域(基地や演習場など)は85ヵ所ある...。全て公表しており、現在公表していない在日米軍施設・区域はないとのことである。しかし、過去には「官報」で公表されていなかった施設・区域もある。
2009年10月 1日 08:46
21 軍事的性質により公表せず
この度の総選挙で自民党と公明党が敗れ、政権交代が起きた。民主党を中心に社民党と国民新党の連立政権が発足した。連立政権の政策合意には、「日米地位協定の改定を提起」することが盛り込まれた。
2009年9月29日 08:00
20 秘密にされている日米の「合意事項」
この「合意事項」は、1953(昭和28)年9月29日に日米両政府間で結ばれた「行政協定第17条を改定する議定書」と「議定書に関する合意された議事録」に伴うもので、行政協定第17条の実施のため、細かな手続や定義や解釈を定めている。
2009年9月24日 09:02
19 米兵犯罪に関する日米の細かい「合意事項」
問題の裁判権行使通告期間に関する日米間の合意は、「日米合同委員会刑事裁判管轄権分科委員会において合意された事項」(「裁判権分科委員会刑事部会における行政協定に関する事項」/以下、「合意事項」)の第40項に明記されている。
2009年9月22日 11:27
18 在日米軍法務官が記す裁判権放棄の実態
そうした実態を示す在日米軍法務部関係者の記述もある。最近まで在日米軍法務官事務所国際法主席担当官(中佐)だったデール・ソネンバーグと在韓国連軍・米軍司令部法務官特別顧問のドナルド・A・ティムの論文「日本駐留外国軍隊に関する諸協定」である。
2009年9月19日 08:53
17 裁判権行使通告期限による時間的制約
米兵犯罪に対して、日本国当局が起訴することにより第1次裁判権を行使するか、しないか。それを米軍当局に通告するまでの期間が極めて短く限定されている。
2009年9月15日 09:01
16 秘密にされた「運用上の取り決め」の理由
『実務資料』第2章「裁判権」によると、実際の手続きにおいて、日本国当局とは法務省のことで、法務省が、起訴することにより第1次裁判権を行使するか否かを、米軍当局すなわち在日米軍法務部(被疑者の所属する陸軍や海軍や空軍の在日司令部の法務部)に対して一定期間内に通告する。
2009年9月10日 11:15
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