
【写真】丹東には中国人・韓国人の観光客も多い。背後に見えるのは鴨緑江大橋。
昨日から鴨緑江河口の街・丹東(遼寧省、人口70万人)にいる。初めて訪れるこの街で、取材はすでに苦戦しそうな気配だ。
ただ、今日はひとついいことがあった。「専属運転手」を見つけたのだ。取材の本筋とは関係ないけれど、ロケ車を使えない私たちには、いいタクシーの運転手にめぐりあえるかどうかは、わりと重要になる。
笑顔がかわいいこのお兄さんは、安全運転だし、なにより、変なところで止まって観光客なら絶対興味を持たないであろう変なものを撮り続ける私たちに、よけいなことを聞かない。ものごとにあまり疑問を抱かない淡々とした性格なのかもしれない。次から次にこちらが繰り出す妙なリクエストにも、すべてあっさり「行(シン=いいよ)」。
半日乗り回していろいろお願いもしたので、値切るのも気がひけてメーターより少し安いだけの200元(約3000円)を出すと、
「こんなにいらないよ。150でいい」
これには驚愕を通り越して感動。
というのも、討価還価(タオジアフアンジア=値段の駆け引き)は中国の習い。タクシー運賃に関しては、中国の友人たちが繰り広げる死闘をこれまでたくさん見てきた。論理、道理、人間味、すごみ、時に権力――おのれのもてる全ての資源を総動員して、5元でも得をすべく、双方、文字通り口角泡飛ばして駆け引きにのぞむのが常である。見ている分にはおもしろいが、自分でやるとなると話は別。語学力で大幅にハンディを負い、たぶん人間的に粘りにも乏しい私は、一言二言、口ごもりつつ何か言ってみて引き下がるのが、悔しいかな、いつものパターンになっている。
ところがこの運転手、なぜかは知らないがえらく淡白だ。話す中国語がものすごくなまっているのがややつらいが、このお兄さんで手を打とう。専属運転手に勝手に任命することにした。
「運転手さん、名刺持ってます?電話するから明日からしばらく来てよ」
「いいよ」
(8月5日)
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| 丹東の対岸は北朝鮮・新義州。遊覧船にのると、手をのばせば届きそうなほど近くまでいける。「21世紀の太陽、金正日将軍万歳」のスローガンの前で荷役する人たち。 | 丹東には中国人・韓国人の観光客も多い。背後に見えるのは鴨緑江大橋。 |
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| 中国と北朝鮮の国境貿易の約8割が、この丹東―新義州ルートで行われているとも言われる。午前中は、鴨緑江大橋のたもとに北朝鮮にむかうトラックや、荷物を満載した小型バスがずらりと列をつくる。 | (おまけ)中国のタクシーのバックミラーには、必ずといっていいほどお守りが下がっている。専属運転手はハートの飾りを下げているが、丹東では毛沢東と金日成が表裏になっているものもよく見かけた。 |
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| ビデオでのインタビューにまで応じてくれた我らが専属運転手。若く見えるがこの道15年、4歳の女の子の父。 |








